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医師会からのお知らせ

第30回健康と医療作文コンクール

優秀賞

「クレープが食べたい」
金子 紗弓
駿台甲府中学校1年
私は、生まれつき、重度の卵アレルギーを持っています。外出時や学校では、「エピペン」という注射を携帯していて、アレルゲン誤食時に命の危険がある場合、その注射を太ももに打ちます。小学校低学年の時は、アレルギーを持っていることがかっこいいことのように感じ、アレルギーを持っていることが嫌だと思っていませんでした。しかし、高学年・中学生になると、自分が食べたいものが食べられない苦しさ、そして、自分がアレルギーを持っているせいで、周りに気を使わせている申し訳なさが強くなり、自分にアレルギーがなければいいのにと思うようになりました。
私は、小学1年生の頃から「経口免疫療法」を受けています。アレルゲンが入ったものやアレルゲンを、決まった量毎日少しずつ食べていき、アレルゲンを体に慣らせ、食べる量を増やしていきます。そうすることで、体に免疫がつき、少しずつアレルゲンが入ったものを食べられるようになります。そして、一年に一回、アレルギー負荷試験があり、アレルゲンをどのくらいの量食べられるのか、一日病院に入院し、テストをします。テスト後には、お医者さんと今後一日にアレルゲンをどのくらい摂取するか、相談します。
小学校低学年の頃は、なぜ負荷試験をするのか分からなかったり、中断したりしていました。でも、少しずつ療法について理解し、治したいという気持ちが出てきたので、最近はきちんと取り組むようになりました。
私は、この前まで、アレルゲンの卵白が約0.045グラム入ったパンを、なるべく毎晩食べていました。先日、アレルギー負荷試験があり、卵白をどのくらい食べられるかテストしたところ、0.1グラム食べたところで症状が出てしまったのですが、今後は前より少し増やして、卵白を0.05グラム食べていくことになりました。
このようにして、私は自分のアレルギーを治すために毎日頑張っています。食べるのをさぼってしまうことも多いですが、これからも「少しでも卵を食べられるようになりたい」という気持ちが叶うように、努力していきたいです。
「あなたにアレルギーがあることは、あなたの個性だよ」
これは、私の母がよく話している言葉です。欠点や短所と思ってしまうことも、自分の個性だということです。私は、アレルギーを自分の欠点の一つだと思っていましたが、それは、考えを変えてみれば、自分の個性です。
私のアレルギーは、完全に治ることはないと思います。アレルギーは、これからずっと自分が付き合っていかないといけないことだと思います。しかし、それは自分の欠点ではなく、個性であると考えて、アレルギーと向き合っていきたいです。
「友達と一緒にクレープを食べること」
これは、私の夢です。お店で売っているクレープは、生地に卵が入っていて、食べたことがありません。いつか、仲良しの友達と一緒に、大きな口でクレープを食べてみたいです。
私の将来の夢は、アレルギーに関わる医師になることです。いつも私のために尽くして下さるお医者さんに憧れました。私と同じように、アレルギーがあったり、アレルギーを治すために頑張っている子供たちに、少しでも希望を与えられるような人になりたいです。そのために、これから自分のアレルギーと向き合いながら、幅広く、色々な勉強をたくさんしていきたいです。