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医師会からのお知らせ

第26回健康と医療作文コンクール

佳作

「健康のうらやましさ」
宮澤 玲奈
中央高校1年
私の義理の母は、5年ほど前から二つの重い病気を患っています。一つは、潰瘍性大腸炎という難病指定されている病気と、二つ目は、線維筋痛症という原因不明の病気です。しかし、私の義母の病気が分かるまでに1年ほどかかり、いろいろな病院に行き調べてもらいましたが、それでもわかりませんでした。やっとわかったときは、ほっとしました。
原因不明の線維筋痛症は、疼痛レベルの痛みが天候、気温、湿度、環境などによって異なり、ひどい時には汗を異常なくらいかき、痛みによって過呼吸を起こし、救急車で運ばれることもありました。昨年は五度の入院をしましたが、つらいのに私の入学式の準備もすべてやってくれました。そんな姿を幼い時から見ていた私達はその病気が恐ろしくてしかたがありませんでした。
授業参観、卒業式、三者懇談、高校の入学式もすべて義母が来てくれました。そんな義母が「もしも自分が健康だったらいろんな所につれて行かれるのに。」「仕事もできず、みんなに迷惑かけてばかりだ。」と言い泣く姿を見るのは、とてもつらかったです。
家での食事制限やたくさんの薬を飲みつづける姿を毎日見ている私は、そんな姿に見慣れてしまいました。本当は見慣れてはいけない姿なのですが、今は「一日でも早く見なくなる日が来ると良いな。」と思っています。
病気がわかるまでにいろいろな病院に通いましたが、家から車で2、3分の所に漢方薬の病院があります。私もお世話になっているのですが、その病院の先生はとても優しく義母は信頼しています。もう一つの病院は少し離れたところにあり、月に一度行っています。薬のサイズは異なり粉から、3、4センチメートルサイズの薬を飲んでいます。背中を指で押すと、圧痛点があり、そこに湿布を貼ったりしています。
しかし、最近になって少しずつ仕事もできるようになってきて、義母は良くなってきていると話していました。なぜ義母が病気にならなくてはならないのか、なぜ線維筋痛症、潰瘍性大腸炎という病気なのか、それが私の今一番の疑問です。もし、この病気が義母ではなく私だったら、赤の他人だったらと義母に問うと、義母は「神様は病気を乗り越えられる、病気と戦うことのできる人にしか与えないんだよ。」といいました。それを聞いた時、たくましく、かつ悲しい気持ちになりました。
健康な人では、あたり前かも知れませんが義母は「今年一度も入院していないんだよ。すごいでしょ。」と喜びを口にしました。
義母は世界遺産、自然、きれいな風景が大好きです。テレビでこの話題の番組がやると、目をキラキラさせて、「病気がよくなったら見に行きたいな。」といいます。いつか病気が治って良くなったとしたら、義母を海外へ連れて行ってあげたいと思っています。
健康は普段は意識しませんが、健康な身体を維持できることはとてもすばらしいことだと私は思います。