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医師会からのお知らせ

第22回ふれあい医療作文コンクール

優秀賞
「十二年間の中で学んだこと」
内藤 真由
高根中学校3年
3歳の時、小児喘息だと医師に診断されてから、私は今日まで本当に面倒臭い発作と共に生きてきました。このことは決して、幸せなことだとは言えないけれど、不幸なことでもないと私は思っています。なぜなら、普通の人が気付くことができない、当たり前の日常の中に隠された大切なことや、周りの人の存在の大きさを病気を通じて感じることができるからです。このことを最初に私に教えてくださったのは、私のかかりつけの医師でした。
小学校3年生の時、友人に誘われてバスケットボールを始めたことがきっかけで、私はスポーツに親しむ生活を送るようになりました。中学入学後も運動を続けていきたいという思いは変わらず、硬式テニス部への入部を決め、先日無事に引退しました。今、ふり返ってみると楽しい思い出と共に苦しい思い出もよみがえってきます。バスケットボールもテニスも持久力が必要なスポーツであるため、走るとすぐに呼吸が苦しくなる私にとって練習や試合は過酷なものでした。ハードなトレーニングについていけず、周りの人との違いをまのあたりにして、いっそやめてしまおうかと何度も思いました。それでも最後まで続けることができたのは、まぎれもなく多くの方々が私を支えてくださったからです。その一人として私のかかりつけの医師が挙げられます。
小児喘息だと診断されてから今日までの12年間、私は片道1時間かけて、かかりつけの医師が院長を務める小児科医院へ通い続けています。遠方にあるにもかかわらず、私がその医院へこだわり続けるのには理由があります。それは、かかりつけの医師が私がスポーツをするにあたって、普通の人と対等に勝負ができるよう、様々な対策を考えてくださるからです。薬の飲み方を始め、呼吸の仕方や休憩の取り方等、常に私がベストな状態でプレーできるように先生は細かく教えてくださいました。そのお陰で私は、チームメートと同じように練習をし、チームの一員としてプレーすることができました。そして、「私も皆と同じように活躍できるチャンスがあるのだ」という自信と、「自分のハンデを言い訳にして、自分で自分の可能性を閉ざしてはいけない」という気持ちを得ることができました。また、周りの人と同じように走れることがどれほど幸せなことかを「走れない」という感覚を経験したからこそ知ることができました。
かかりつけの医師が私のことを本気で考えてくださったことで、そして本気で治療してくださったことで、私は私の持つ限りある力以上のことを、成し遂げられたのだと思います。また、治療だけでなくかかりつけの医師の存在自体が、私の背中を強く押していたと言っても過言ではありません。私は今、かかりつけの医師に対して、感謝と共に尊敬の気持ちで一杯です。
私は今、将来について考える中で、かかりつけの医師のような、人の人生に良い影響を与えられる人間になりたいと思っています。それは簡単なことではありませんが、自分の力で自分の限界を越えられるよう努力して結果を残し、同じ病気で悩んでいる人々に力を与えていきたいです。そして、その姿を通してかかりつけの医師へ恩を返したいと思います。