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医師会からのお知らせ

第22回ふれあい医療作文コンクール

佳作
「看護師になるために必要なこと」
赤尾 瑠琉
山梨大学附属中学校3年
私は現在中学3年生。漠然とではあるが将来のことを少しずつ考えるようになってきた。
ニュースや新聞ではほぼ毎日のように何かしら医療に関する話題が報道されている。猛威をふるうエボラ出血熱、コンビニの介護進出、1回の血液検査で13種の病気を調べることができるようになったなど。またテレビでは医療を題材にしたドラマも最近多い。私が医療関係の仕事につきたいと思ったのはそんなメディアに刺激され、興味を持つようになったこと、マザーテレサやナイチンゲールの伝記を読んで感動したこともあるが、やはり私の二人の祖母の影響が大きいと思う。
一緒に住んでいた祖母は今年2月に他界した。急に倒れ意識不明のまま病院に運ばれたそんな祖母にも、優しく声をかけながら体を拭いてくれたり、歯磨きしてくれたり、床ずれにならないように頻繁に向きを変えてくれたり、かいがいしく看護してくれた。嫌な顔も見せず、いつも笑顔でてきぱきと仕事している姿がとてもかっこよく憧れた。「白衣の天使」とよくたとえられるが、まさにその言葉がぴったりだった。
もう一人の祖母は70歳にしていまだ現役で看護師として働いている。夜勤のある病院ではないが、冬の風邪やインフルエンザが流行る時期は遅くまで働いている。母の育児中は専業主婦だったが、高校卒業を機に復帰した。ブランクがあっても前のように働けることは素敵なことだと思う。
ますます高齢化は進み、看護師は必要とされるだろう。また病院だけではなく、介護施設、企業の開発部門、学校の保健室など活躍の場は増えている。今現在でも人が足りておらず、アジア圏から看護師を呼び、日本で働ける看護師を育てているそうだ。就職難と言われる時代だが、就職先に困ることはないだろう。そして日本国内どこに移住しても、そこに病院があれば看護師として働けるのも魅力である。
とはいえ、想像以上に大変な仕事だと思う。一日中立ちっぱなしで、人の命に関わることであるから、ミスは絶対に許されず常に緊張しっぱなしなんて心身共に大変そうであることは経験していなくても認識できる。また、日々進化し続ける医療にも柔軟に対応できるようにしなくてはならない。
看護師になるためには資格はもちろんだが、自分自身の健康がなによりも大切であると思う。心身ともに健康であれば余裕ができる。余裕があれば患者さんに対して優しく接することができる。笑顔で看護することが少しでも患者さんを元気づけることもできるだろう。医師よりも患者さんと近い距離にいる看護師の役割は、とても重要だと思う。人間は皆一緒ではない。怒りっぽい人、怖がりな人、せっかちな人など十人十色である。そんな一人ひとり違う性格の人に合わせた対応が必要になってくる。
まだ看護師の道に行くとはっきり決めたわけではないし、すぐにそのための勉強を始められる年齢でもない。しかし、土台作りは今からでも始められそうである。
今の勉強を頑張ること、看護師になると決めた時がきたら大学で看護の勉強をすること。これからの時代、医師に代わって大学卒の看護師が診察できる分野が出てくるかもしれないと何かの記事で読んだ。医師だけに頼らず看護師にも救える病気があるということはとてもやりがいがある。そして前に書いた自分自身の健康管理、人の気持ちになって考える気配りができるようになる、そして笑顔の練習。これからはきっとどの道に行ったとしても備えて損はないだろう。
責任と役割の大きい看護の仕事は重圧も大きいだろう。時には死と直面することもあるだろうし、完治して元気に退院していく患者さんを見送ることもできるだろう。さまざまなシーンでどんな人にも的確に対応できる器の大きい人になりたい。